簿記2級を受けようと思ったとき、気になるのが「何時間くらい勉強すれば合格できるのか」ではないでしょうか。
簿記2級の勉強時間を調べると、200時間、250時間、350時間など、さまざまな数字が出てきます。
しかし、社会人が勉強計画を立てるなら、総勉強時間だけを見ても十分ではありません。
仮に250時間必要だとしても、
週5時間勉強できる人と、週15時間勉強できる人では、受験できる時期が大きく変わるからです。
そこでこの記事では、簿記2級の勉強時間の目安を確認したうえで、
自分は週に何時間勉強できるか
↓
何か月くらい必要か
↓
いつ受験するか
まで決められるように整理します。
簿記2級の勉強時間は200~350時間程度が一つの目安
簿記2級の勉強時間について、公的に定められた「標準学習時間」があるわけではありません。
資格スクールなどが示している勉強時間にも幅があります。
たとえば、簿記3級程度の知識がある人については、200~350時間程度を目安としている例があります。
一方、簿記を初めて学ぶ人については、3級レベルの内容から学習する必要があるため、さらに長い勉強時間を見込んでいる例があります。
そのため、
「簿記2級は○時間勉強すれば合格できる」
と一つの数字に決めるのではなく、前提知識によって必要な学習量が変わると考えた方がよいでしょう。
日本商工会議所によると、日商簿記2級では商業簿記と工業簿記(原価計算を含む)が出題され、試験時間は90分、合格基準は70%以上です。
3級では商業簿記が中心ですが、2級では工業簿記も学ぶため、3級からそのまま学習を進める場合でも新しく学ぶ内容があります。
まずは「自分には何時間必要か」を一つの数字に決めるより、自分の現在地を確認することから始めましょう。
簿記2級の勉強時間が人によって違う理由
同じ簿記2級を受験する人でも、必要な勉強時間は同じではありません。
特に影響しやすいのが、次のような違いです。
簿記3級レベルの知識があるか
簿記3級を勉強した経験がある人と、簿記を初めて学ぶ人ではスタート地点が違います。
ただし、「3級に合格しているか」だけで判断する必要はありません。
3級に合格したばかりで内容を覚えている人もいれば、合格してから時間が経ち、仕訳などをかなり忘れている人もいるからです。
確認したいのは資格の有無ではなく、3級レベルの内容をどの程度理解しているかです。
簿記を使った経験があるか
仕事などで仕訳や会計に触れている人と、初めて会計を学ぶ人でも理解にかかる時間は変わります。
ただし、実務経験があれば必ず短時間で合格できるという意味ではありません。
試験では試験範囲に沿った学習が必要なので、実際に問題を解きながら自分の理解度を確認する必要があります。
学習方法が自分に合っているか
同じ1時間でも、学習の進み方は人によって異なります。
テキストを読んでも理解できず何度も同じページを読み直している場合と、内容を理解して問題演習まで進めている場合では、同じ勉強時間でも進捗は変わります。
そのため、勉強時間を見るときは、
何時間机に向かったか
だけでなく、
その時間でどこまで学習が進んだか
も確認する必要があります。
社会人は「総勉強時間」より週何時間取れるかを確認する
「簿記2級には250時間必要」と聞いても、それだけでは受験時期を決められません。
社会人の場合、まず確認したいのは、
自分は現実的に週何時間勉強できるのか
です。
たとえば、
平日5日 × 1時間
+
休日2日 × 2時間
なら、週9時間です。
一方、
平日はほとんど勉強できず、休日に2時間ずつ
なら週4時間です。
同じ250時間を目標にしても、必要な期間は大きく変わります。
ここで重要なのは、理想の勉強時間ではなく、実際に続けられる時間で計算することです。
「毎日2時間やる」と決めても、残業や家事などで続かなければ計画として機能しません。
直近の生活を振り返り、無理なく継続できそうな時間から考えてみましょう。
週の勉強時間から何か月かかるか計算する
ここでは計算方法を分かりやすくするため、仮に250時間を一つのモデルケースとして計算してみます。
250時間がすべての人に必要という意味ではありません。
計算式は単純です。
必要な勉強時間 ÷ 1週間の勉強時間 = 必要な週数
250時間を例にすると、次のようになります。
| 週の勉強時間 | 250時間までの週数 | おおよその期間 |
|---|---|---|
| 5時間 | 50週 | 約11~12か月 |
| 7時間 | 約36週 | 約8か月 |
| 10時間 | 25週 | 約6か月 |
| 15時間 | 約17週 | 約4か月 |
| 20時間 | 12.5週 | 約3か月 |
こうして見ると、「250時間」という数字だけを見るより、自分の生活に置き換えやすくなります。
たとえば仕事をしながら週10時間確保できるなら、250時間に達するまで約25週間です。
反対に週5時間なら約50週間になります。
だからこそ、
「簿記2級には何時間必要?」
だけで終わらず、
「自分の場合は何か月かかる?」
まで計算することが重要です。
1日1時間・2時間ならどのくらいかかる?
「週何時間」と言われてもイメージしにくい場合は、1日あたりの勉強時間から考えることもできます。
毎日1時間なら
毎日1時間勉強すると、週7時間です。
250時間を例にすると、
250時間 ÷ 7時間 = 約36週間
なので、約8か月が一つの計算結果になります。
毎日2時間なら
毎日2時間なら週14時間です。
250時間 ÷ 14時間 = 約18週間
なので、約4か月です。
ただし、社会人が「毎日必ず2時間」と決めると、残業や予定が入っただけで計画が崩れることがあります。
そのため、
平日1時間+休日にまとめて勉強する
など、週単位で調整できる計画にしておく方が現実的です。
受験したい時期から逆算してみよう
必要期間が分かったら、次は受験時期から逆算します。
たとえば、
「約6か月後に受験したい」
と考えているとします。
250時間を半年で確保するなら、単純計算では週10時間前後の学習が必要になります。
ここで、
週10時間なら現実的に確保できそう
なのであれば、その時期を目標に学習計画を作れます。
一方、
現実には週5時間程度しか取れない
のであれば、そのままでは計算上の学習量と希望する受験時期が合いません。
このズレに早い段階で気づくことが重要です。
試験直前になって、
「思ったより勉強が終わっていない」
となる前に、最初から自分の可処分時間と受験時期を照らし合わせておきます。
予定どおり進まないときに見直す3つのもの
計算上は間に合うはずでも、実際の勉強が予定どおり進むとは限りません。
仕事が忙しくなることもあれば、想定以上に苦手な論点が出てくることもあります。
その場合は、次の3つを見直します。
受験時期を見直す
受験時期を変更できるのであれば、学習期間を延ばす方法があります。
特にネット試験を利用する場合は、統一試験とは受験方法が異なります。
日商簿記2級・3級のネット試験は各ネット試験会場で実施されていますが、統一試験の前後などには施行休止期間があります。
受験時期を変更するときは、実際に受験する会場の日程も確認してください。
週の勉強時間を見直す
受験時期を変えたくない場合は、確保できる学習時間を増やせないか確認します。
ただし、
「睡眠時間を削って毎日3時間」
のような継続しにくい計画では意味がありません。
通勤時間、昼休み、休日なども含めて、現実的に増やせる時間があるかを考えます。
学習方法を見直す
時間を増やせない場合は、学習方法に改善できる部分がないか確認します。
たとえば、
「分からないところを調べるだけで時間がかかる」
「テキストを読むだけで問題演習へ進めない」
「何を勉強するか毎回迷っている」
という状態なら、単純に勉強時間を増やすだけでは解決しない可能性があります。
その場合は、教材、学習順序、独学という方法そのものを見直す余地があります。
勉強時間を増やせないなら学習方法を見直す
社会人の場合、勉強に使える時間には限界があります。
仕事や生活を考えれば、誰でも好きなだけ勉強時間を増やせるわけではありません。
そこで、
受験時期は変えたくない
+
勉強時間もこれ以上増やせない
という場合には、学習方法を見直します。
ただし、
時間が足りない=通信講座を使う
とすぐに結論づける必要はありません。
まず、
教材が合っているか
問題演習は足りているか
学習順序に無駄がないか
分からない論点を解決できているか
を確認します。
独学のやり方を修正するだけで改善できるのであれば、そのまま独学を続ける方法があります。
一方、自分で学習計画を管理することや、疑問点を解決することに多くの時間を使っているのであれば、通信講座など別の学習方法を比較する意味が出てきます。
→ 関連記事:簿記2級は独学と通信講座どちらがいい?途中で切り替える判断基準も解説
自分の勉強時間を計算して受験時期を決めよう
簿記2級の勉強時間にはさまざまな目安があります。
しかし、
「250時間必要らしい」
と知るだけでは、具体的な勉強計画にはなりません。
まず、
1.現在の簿記知識を確認する
2.参考となる勉強時間の目安を確認する
3.自分が週何時間勉強できるか計算する
4.必要な週数・月数に変換する
5.受験したい時期と合っているか確認する
という順番で考えてみましょう。
予定と合わなければ、
受験時期を変える
→ 勉強時間を変える
→ 学習方法を変える
の順に検討できます。
簿記2級を独学で始めるか迷っている段階なら、勉強時間だけでなく、3級レベルの知識や独学を続けられる条件も確認しておくと判断しやすくなります。
→ 関連記事:簿記2級は独学で合格できる?始め方と「独学を続けるか」の判断基準
「何時間必要か」ではなく、自分がいつ受験できそうなのかまで計算することが、社会人の簿記2級学習では重要です。

