簿記2級の勉強を始めると、
「3か月で合格するなら、どんなスケジュールで勉強すればいい?」
「平日と休日はそれぞれ何を勉強する?」
「いつまでに商業簿記と工業簿記を終わらせればいい?」
と迷うことがあります。
しかし、同じ3か月でも、
週5時間勉強できる人
と
週15時間勉強できる人
では、実際に使える勉強時間が大きく違います。
そのため、簿記2級の勉強スケジュールは「3か月プラン」などのモデルをそのまま使うのではなく、
受験時期
↓
残りの週数
↓
週に確保できる勉強時間
↓
学習工程
の順番で考えると、自分の生活に合わせやすくなります。
さらに、計画どおり進まなかったときに修正できるようにしておくことも重要です。
この記事では、社会人が簿記2級の勉強スケジュールを作る手順と、予定より遅れたときの見直し方を整理します。
簿記2級の勉強スケジュールは「○か月プラン」から決めない
簿記2級の勉強スケジュールを調べると、
「1か月プラン」
「2か月プラン」
「3か月プラン」
などが見つかります。
モデルスケジュールは学習の全体像を把握する参考にはなります。
ただし、
3か月あれば十分
と期間だけで判断することはできません。
たとえば3か月でも、週5時間なら約60時間、週15時間なら約180時間です。
同じ期間でも、確保できる勉強時間には大きな差があります。
さらに、
- 簿記3級の内容をどの程度理解しているか
- 商業簿記と工業簿記の進み具合
- 独学か通信講座か
- 苦手な論点がどのくらいあるか
によっても進み方は変わります。
そのため、
何か月勉強するか
だけでなく、
その期間に何時間勉強できて、どこまで進める必要があるか
まで考えてスケジュールを作ります。
STEP1 週に何時間勉強できるか確認する
最初に確認するのは、1日の理想的な勉強時間ではありません。
現実的に1週間で何時間確保できるか
です。
社会人の場合、
「毎日2時間勉強する」
と決めても、残業や予定によって勉強できない日が出ることがあります。
そこで、
平日5日で合計何時間
休日2日で合計何時間
という形で考えてみます。
たとえば、
平日30分×5日=2.5時間
休日2時間×2日=4時間
なら、週6.5時間です。
平日1時間×5日=5時間
休日2.5時間×2日=5時間
なら、週10時間になります。
まずは理想ではなく、普段の生活を続けながら確保できそうな時間を出します。
簿記2級の勉強時間の目安や、週の勉強時間から何か月かかるかを計算したい場合はこちらで整理しています。
関連記事:簿記2級の勉強時間は何時間?社会人が「何か月かかるか」を週の勉強時間から計算
STEP2 受験時期を仮決めする
次に受験時期を考えます。
日商簿記2級には、統一試験とネット試験があります。
統一試験は決められた日に実施されます。
一方、ネット試験は各試験会場が試験日時を設定しており、統一試験の前後などに設定される施行休止期間を除いて受験できます。
そのため、
統一試験の日程から逆算して勉強する
方法だけでなく、
学習の進み具合を見ながらネット試験の受験時期を決める
方法もあります。
ただし、受験日をまったく決めずに勉強すると、学習期間が長引くこともあります。
最初から確定する必要はありませんが、
○月ごろに受験する
という仮の期限は設定しておくと計画を作りやすくなります。
ネット試験と統一試験の違いはこちらで詳しく整理しています。
関連記事:簿記2級はネット試験と統一試験どっちがいい?違いと選び方を解説
STEP3 勉強を4つの工程に分ける
受験時期と週の勉強時間が決まったら、勉強期間を大きく4つの工程に分けます。
① 基礎学習
↓
② 基本問題
↓
③ 弱点補強
↓
④ 本試験形式
最初から、
「1週目は○○、2週目は○○」
と細かく決めすぎる必要はありません。
まずは、
どの工程を終えれば次へ進めるのか
を決めます。
① 基礎学習
テキストや講義などを使い、新しい論点を理解していく段階です。
商業簿記と工業簿記の両方を学習範囲に入れていきます。
この段階で重要なのは、
テキストを最後まで読むこと
だけを目標にしないことです。
新しい論点を学んだら、対応する基本問題も解いて理解を確認します。
② 基本問題
学習した内容を、自分で問題として処理できるか確認します。
解説を読めば分かる状態から、
何も見ずに基本的な問題を解ける状態
へ進めていきます。
間違えた問題があれば、
「まだ覚えていない」
だけでなく、
論点を理解していないのか
仕訳で間違えたのか
計算で間違えたのか
など原因を確認します。
③ 弱点補強
商業簿記と工業簿記を一通り学んだら、すべてを最初からやり直すのではなく、弱いところを絞って復習します。
たとえば、
「連結会計だけ正答できない」
「工業簿記の総合問題になると分からない」
「仕訳で同じ間違いを繰り返す」
という状態なら、その論点へ戻ります。
弱点が具体的になっているほど、復習する範囲も決めやすくなります。
④ 本試験形式
基本問題を解けるようになったら、本試験形式の問題へ進みます。
日商簿記2級の試験時間は90分です。
そのため、最終的には個別の論点を理解するだけでなく、
限られた時間で複数の問題を解く
練習も必要になります。
本試験形式へ進むタイミングはこちらで整理しています。
関連記事:簿記2級の過去問・予想問題はいつから?本試験対策へ進むタイミングを解説
商業簿記と工業簿記は片方を全部終えてから次へ進む?
スケジュールを作るとき、
「商業簿記を全部終えてから工業簿記に進むべき?」
と迷うことがあります。
必ずしも片方を完全に終えてから、もう片方を始める必要はありません。
重要なのは、
片方だけを長期間放置しないこと
です。
たとえば商業簿記から始めた場合でも、一定程度進んだら工業簿記も学習範囲へ入れます。
反対に工業簿記から始めても、商業簿記を後回しにしすぎないようにします。
どちらから始めるか迷っている場合はこちらで整理しています。
関連記事:簿記2級は商業簿記と工業簿記どっちから?独学の勉強順序を決める考え方
社会人の1週間は「平日と休日」で役割を分ける
社会人の場合、毎日同じだけ勉強時間を確保できるとは限りません。
そこで、
短い時間でできる勉強
と
まとまった時間が必要な勉強
を分けておくと、スケジュールを組みやすくなります。
| 時間の取りやすさ | 学習内容の例 |
|---|---|
| 通勤・昼休みなどの短時間 | 仕訳、復習、間違えた問題の確認 |
| 平日のまとまった時間 | 新しい論点の学習、基本問題 |
| 休日のまとまった時間 | 総合問題、本試験形式、弱点分析 |
これは、
「平日は必ず仕訳、休日は必ず模試」
というルールではありません。
ポイントは、
使える時間の長さに合わせて勉強内容を選ぶこと
です。
たとえば30分しかない日に90分の本試験形式の問題を始めようとすると、勉強そのものを見送ってしまうかもしれません。
一方、30分でできる復習をあらかじめ用意しておけば、短い時間でも学習を進められます。
1週間の計画と実績の記入例
以下は、商業簿記と工業簿記の基本問題を学習している人が、週6時間30分を予定した架空の例です。筆者の実績や、合格に必要な学習量ではありません。問題番号・ページは、手元の教材のものに置き換えてください。
| 曜日・予定時間 | 予定した学習 | 実績・残った課題(架空) |
|---|---|---|
| 月・水・金:各30分 | 既習の仕訳を各5問、誤答の理由も確認 | 計90分実施。売掛金と買掛金の取り違えを2問記録 |
| 火・木:各60分 | 工業簿記の個別原価計算を復習し、基本問題を各2問 | 計90分、3問まで。製造間接費の配賦で1問止まった |
| 土:120分 | 未完の1問と、平日の誤答を解き直す | 120分実施。配賦の計算例へ戻り、別の基本問題を1問解けた |
| 日:60分 | 解説を見ずに誤答を再確認し、翌週を調整 | 60分実施。仕訳は説明できたが、配賦の根拠はまだ曖昧 |
この例では予定6時間30分に対し、実績は6時間です。翌週火曜の冒頭30分を配賦基準の復習に振り替え、木曜に別の基本問題で再確認します。新しい範囲を一律に増やさず、「未実施の時間」と「理解できなかった箇所」を分けて調整します。
1か月・3か月・6か月でも考え方は同じ
受験までの期間によって、毎週必要な学習量は変わります。
ただし、スケジュールを作る基本的な考え方は同じです。
1か月で受験したい場合
受験までの期間が短いため、毎週かなりの学習量が必要になる可能性があります。
まず、
残り4週間で確保できる総勉強時間
を計算します。
その時間で、
基礎学習
基本問題
弱点補強
本試験形式
まで進められるか確認します。
「1か月プランがあるから1か月で受ける」と決めるのではなく、自分の現在地と確保できる時間から判断します。
3か月で受験したい場合
3か月程度ある場合でも、
前半はインプットだけ
最後の数週間だけ問題演習
と機械的に分ける必要はありません。
新しい論点を学びながら基本問題を解き、学習が進んだら本試験形式へ移ります。
毎週の進捗を確認しながら、
まだ基礎学習に時間が必要なのか
基本問題へ進めるのか
を判断します。
6か月程度かける場合
期間に余裕があっても、前半をゆっくり進めすぎると、最初に学んだ内容を忘れることがあります。
そのため、
新しい論点を学ぶ
だけでなく、
以前学んだ内容を復習する
時間もスケジュールに入れます。
期間が長いからといって、学習工程そのものを引き延ばす必要はありません。
早めに基本問題まで進み、定期的に復習しながら本試験形式へつなげます。
本試験形式の問題はいつから入れる?
本試験形式の問題を始める時期は、
「試験の1か月前になったら」
のように日付だけで決める必要はありません。
目安にしたいのは、
主要な範囲を一通り学習している
基本問題を自力で解ける論点が増えている
という学習状態です。
本試験形式の問題を解いて70点に届かなかったとしても、それだけで「まだ早かった」と判断する必要はありません。
間違えた原因を、
未学習
学習したが忘れている
仕訳・計算ミス
時間不足
問題形式に慣れていない
などに分けます。
その結果から、次に戻る場所を決めます。
本試験形式の演習は、
合格できるか確認するだけのテスト
ではなく、
残っている弱点を見つけるための学習
としても使えます。
予定より遅れたときに後半の勉強を全部削らない
勉強スケジュールを作っても、予定どおり進まないことはあります。
仕事が忙しくなったり、想定以上に難しい論点があったりするためです。
ここで、
「予定より2週間遅れたから、問題演習を減らそう」
「工業簿記まで時間がないから後回しにしよう」
「本試験形式を解かずに受験しよう」
と、後半の工程を単純に削るのは避けたいところです。
まず確認するのは、
受験時期を変更できるか
です。
特にネット試験を利用する場合は、各試験会場が設定している日程や施行休止期間を確認したうえで、受験時期を見直せる場合があります。
次に、
週の勉強時間を現実的な範囲で増やせるか
を確認します。
それでも難しい場合は、
学習方法に時間がかかりすぎていないか
を見直します。
たとえば、
テキストを完璧に理解してから問題へ進もうとしている、
一つの論点で長期間止まっている、
教材を増やしすぎている、
という状態なら、勉強方法を変えることで進みやすくなる場合があります。
独学を続けるか学習方法を変えるか迷った場合はこちらで整理しています。
関連記事:簿記2級は独学と通信講座どちらがいい?途中で切り替える判断基準も解説
勉強スケジュールは週1回見直す
勉強計画は、一度作ったら受験日まで守り続けるものではありません。
週に一度、
予定していた学習
と
実際に進んだ学習
を比較します。
たとえば、
「今週は工業簿記を5時間進める予定だったが3時間しかできなかった」
なら、単に「2時間遅れた」と考えるだけではありません。
なぜ進まなかったのか確認します。
勉強時間そのものを確保できなかった
のであれば、翌週の時間配分を見直します。
特定の論点で止まった
のであれば、その論点の理解方法を見直します。
予定した範囲が多すぎた
のであれば、次回から計画量を調整します。
つまり、
予定
↓
実績
↓
遅れた原因
↓
翌週の計画
という形で更新します。
最初から完璧なスケジュールを作るより、
実際の進み方に合わせて修正できるスケジュール
を作る方が現実的です。
簿記2級の勉強計画は「受験時期→週の時間→学習工程」で作ろう
簿記2級の勉強スケジュールは、
「3か月ならこの通り」
というモデルをそのまま使う必要はありません。
まず、
受験時期を仮決めする
↓
週に何時間勉強できるか確認する
↓
基礎学習・基本問題・弱点補強・本試験形式に分ける
↓
毎週の進捗を確認する
↓
遅れたら原因に応じて修正する
という順番で考えます。
社会人の場合、仕事や予定によって使える時間は毎週同じとは限りません。
そのため、計画どおりに進むことより、
計画からずれたときに修正できること
も重要です。
まだ受験まで何か月必要か分からない場合は、まず週に確保できる勉強時間から期間を計算します。
商業簿記と工業簿記の順番で迷っているなら、次に学習順序を決めます。
そして基本問題を解けるようになったら、本試験形式へ進みます。
自分の生活に合わせて、
いつ受けるか
毎週どのくらい勉強できるか
今どの工程にいるか
の3つを確認しながら、受験までのスケジュールを組み立てていきましょう。

