社労士試験に不合格だった後、通信講座をもう一度受講するべきか迷っていませんか。
「去年と同じ講座を受け直した方がいいのか」「別の講座に乗り換えるべきか」「独学でも十分なのか」。再受験では、これまでの勉強に時間とお金をかけてきたからこそ、判断が難しくなります。
しかし、不合格だったからといって、必ずしも通信講座を買い直す必要はありません。重要なのは、前年度の学習で何が不足していたのかを整理し、その課題を解決するために講座が必要かどうかを判断することです。
この記事では、社労士の再受験で独学を続ける場合、同じ講座を再受講する場合、他社へ乗り換える場合の判断基準を解説します。2027年度向け講座の公式情報も踏まえ、購入前に確認したいポイントを整理します。
課題を整理できている方は、講座ごとの比較ポイントから確認できます。まだ迷う場合は、まず下の表で独学継続・部分補強・再受講のどれが必要かを整理してください。
社労士の再受験で通信講座は必要?
社労士試験の再受験では、通信講座を利用する人もいれば、これまでの教材を使って独学を続ける人もいます。
どちらが適しているかは、前年度の得点や学習状況によって異なります。
例えば、基本的な知識は身についているものの、問題演習の方法に課題があった人は、講座を最初から受け直すよりも、復習方法を改善する方が優先度は高いかもしれません。
一方、制度の仕組みを十分に理解できていない場合は、講義を使って基礎から学び直すことが役立つ可能性があります。
まずは、次の表で現在の状況を整理してみましょう。
| 現在の状況 | 検討したい学習方法 |
|---|---|
| 基礎知識はおおむね理解している | 独学継続・問題演習中心 |
| 特定の科目や論点だけ苦手 | 単科講座・補助教材の追加 |
| 複数科目で基礎知識が不足している | 総合講座による学び直し |
| 前年度の講座が自分に合っていた | 同じ講座の再受講・更新版 |
| 講義や教材が理解しにくかった | 他社講座への乗り換え |
| 学習計画を維持できなかった | 進捗管理やサポートのある講座 |
この表は、特定の方法で合格できることを保証するものではありません。
大切なのは、通信講座を利用するかどうかを先に決めるのではなく、自分に不足している学習機能を明確にすることです。
独学を続けてもよい人の特徴
再受験だからといって、必ず新しい教材が必要になるわけではありません。
次のような人は、独学を続けることも選択肢になります。
- 基本的な制度の仕組みを理解している
- 間違えた問題の原因を自分で分析できる
- テキストと問題集を使って疑問を解消できる
- 自分で学習計画を立て、継続できる
- 法改正や最新の試験情報を確認できる
例えば、択一式で正誤判断の根拠が曖昧だった場合、講義を追加する前に、問題の復習方法を変えることが考えられます。
正解した問題でも、なぜその選択肢が正しいのかを説明できるか確認する方法です。
このように、教材そのものよりも使い方に改善余地がある場合は、講座の買い直しが最優先とは限りません。
ただし、前年度の教材をそのまま使う場合は、法改正や試験範囲の変更への対応が必要です。
古い教材を使い続けることと、最新情報を確認しないことは別です。独学を続ける場合でも、受験年度に対応した情報を補える状態にしておきましょう。
過去問の復習方法に迷っている場合は、社労士試験は過去問だけで合格できる?必要な年数と復習方法も参考にしてください。
同じ通信講座を再受講した方がよいケース
前年度に利用した通信講座が自分に合っていた場合は、同じ講座を再受講する方法があります。
講義の説明や教材の構成に慣れていれば、別の講座の学習方法を一から理解する負担を抑えられる可能性があります。
ただし、単に「前年度も受講していたから」という理由だけで再受講を決める必要はありません。
講義や教材に不満がなかった場合
前年度の講義が理解しやすく、教材も使いやすかったのであれば、同じ講座を継続することには一定の合理性があります。
特に、理解できていなかった論点を重点的に学び直せる場合は、学習経験を活かしやすいでしょう。
一方、講義を一通り視聴したものの、復習や問題演習が不足していた場合は、再び同じ講義を最初から視聴する必要があるか検討してください。
講座を再購入する前に、前年度の教材と学習履歴を確認し、どの部分を補う必要があるか整理することをおすすめします。
再受講割引や更新版を利用できる場合
通信講座によっては、過去の受講者向けに再受講割引や更新版を用意しています。
例えば、スタディングでは、2026年度版以前の対象となる社労士合格コースを購入した人向けに、2027年度の更新版が案内されています。
ただし、対象となる購入履歴やコースには条件があります。以前スタディングを利用していた人でも、すべての講座が更新版の対象になるとは限りません。
再受講を検討するときは、通常価格だけでなく、自分が利用できる更新版や割引制度を確認しましょう。
他社の通信講座へ乗り換えた方がよいケース
前年度の通信講座が自分に合わなかった場合は、他社への乗り換えも選択肢です。
ただし、講座を変更するだけで、前年度の課題が解決するとは限りません。
まずは、何が合わなかったのかを具体的に整理しましょう。
講義の説明や教材が理解しにくかった場合
講義を繰り返し視聴しても制度の仕組みを理解できなかった場合は、説明方法や教材構成が自分に合っていなかった可能性があります。
例えば、文章による説明よりも図解が理解しやすい人もいれば、短い講義を繰り返す方が学習を進めやすい人もいるでしょう。
他社講座を検討する際は、無料体験やサンプル講義を利用し、実際の説明方法を確認することをおすすめします。
口コミやランキングだけでは、自分に合うかどうかまでは判断できません。
必要な問題演習やサポートが不足していた場合
前年度の課題が問題演習の不足だった場合は、講義のわかりやすさだけでなく、演習教材の内容も確認する必要があります。
例えば、択一式で失点が多かった人は、選択肢ごとの正誤判断を練習できるかが重要な確認項目になります。
また、選択式で科目別基準点を下回った人は、重要語句や条文、一般常識などの対策をどのように補えるか確認しましょう。
択一式の弱点を整理したい場合は、択一式の点数が伸びない原因と失点分析の方法を参考にしてください。
選択式に課題がある場合は、選択式の基準点割れの原因と足切りを防ぐ勉強法も役立ちます。
再受験者向け通信講座を選ぶ5つのポイント
再受験者が通信講座を比較するときは、単に料金や講座の知名度だけで判断しないことが大切です。
次の5つの項目を確認しましょう。
1.現在の理解度に合ったコースがあるか
社労士講座には、初学者向けのコースだけでなく、学習経験者向けのコースを用意しているものもあります。
ただし、受験経験があるからといって、必ず上級コースが適しているわけではありません。
複数科目で基礎知識が不足している場合は、入門・基礎講義から学び直す方が適している可能性があります。
一方、基本事項を理解しており、問題演習を重点的に進めたい場合は、経験者向けのコースが候補になります。
2.不足している学習内容を補えるか
通信講座を選ぶときは、講義時間の長さや教材の冊数だけでなく、何を学べるか確認しましょう。
例えば、次のような違いがあります。
| 不足している内容 | 確認したい講座の機能 |
|---|---|
| 基礎知識 | 制度の仕組みを説明する講義 |
| 択一式の判断力 | 選択肢ごとの解説・問題演習 |
| 選択式の重要語句 | 条文・重要語句の演習 |
| 法改正への対応 | 最新年度の法改正講義・教材 |
| 学習管理 | 進捗確認・学習計画の支援 |
前年度の失点原因と講座の内容を対応させることで、必要性を判断しやすくなります。
3.受講期限と教材の提供時期
通信講座では、講義の視聴期限や教材の提供時期も重要です。
受講期限が本試験前に終了しないか、問題集や直前対策教材がいつ提供されるかを確認しましょう。
また、教材が段階的に提供される場合は、自分の学習計画と合っているかも確認する必要があります。
特に、年度途中から申し込む場合は、すべての教材をすぐに利用できるとは限らないため注意しましょう。
4.質問・学習管理サポートの内容
質問サポートや学習管理機能が必要かどうかも、人によって異なります。
疑問点を自分で解決できる人であれば、サポートが少ないコースでも学習を進められる可能性があります。
一方、質問できないことが学習の停滞につながっていた場合は、質問制度のある講座が候補になります。
サポートを比較する際は、質問回数、回答方法、利用期限、追加料金の有無などを確認してください。
5.割引適用後の総費用
再受験では、通常価格だけでなく、受験経験者割引や再受講割引を含めた総費用で比較しましょう。
ただし、割引率が高い講座が必ずしも最適とは限りません。
必要な教材やサポートが含まれていなければ、後から追加費用が発生する可能性があります。
講座本体の料金に加え、教材オプションやサポート費用なども確認することが大切です。
2027年度向け社労士通信講座の例
ここでは、再受験者が検討できる講座の例として、アガルート、スタディング、クレアールを紹介します。
各講座には、学習経験者向けコースや更新制度などの違いがあります。ただし、ここで紹介する内容だけで優劣を判断できるものではありません。
また、以下は2026年10月に確認した公式情報をもとにしています。料金、対象コース、割引条件は変更される可能性があるため、申込み前に最新情報を確認してください。
先に確認したい違いをまとめます。掲載順はおすすめ順位ではありません。各講座の詳しい条件・出典は、この後の個別説明で確認できます。
| 候補 | 比較するポイント | 申込み前の確認 |
|---|---|---|
| アガルート | 経験者向けの講義・演習の組合せ | 理解度に合うコース、割引・特典の対象条件 |
| スタディング | 過去の受講者向け更新版 | 購入履歴の対象条件、冊子教材の追加費用 |
| クレアール | 基礎の再整理と演習・質問制度 | 答練の冊子オプション、受講年度・利用期限 |
アガルート|理解度に応じて経験者向けコースを検討できる
アガルートの2027年合格目標講座には、入門カリキュラムのほか、中上級カリキュラム、上級カリキュラムなどがあります。
公式サイトでは、中上級カリキュラムを、知識の不足部分を補いながら問題演習を重視したい学習経験者向けとして案内しています。
また、上級カリキュラムは、より演習を重視したい学習経験者向けの位置づけです。
ただし、コースの対象者に示されている得点は目安であり、得点だけで講座を決める必要はありません。
自分の失点原因や、講義による学び直しがどの程度必要かを踏まえて選ぶことが大切です。
アガルートには、過去の社労士試験の受験票または成績通知書を持つ人向けの「受験経験者割引」もあります。
2027年合格目標の対象カリキュラムでは、条件を満たす場合に10%の割引が案内されています。ただし、ライトコースなど対象外の商品があり、他の割引制度との併用もできません。
購入前に、対象コースと割引適用条件を必ず確認してください。
テキストと講師の特徴も確認しよう
アガルートの社労士講座では、フルカラーで図表を多く使ったテキストが用意されています。通達・判例・条文も掲載されており、制度の関係を整理しながら復習したい人は、サンプルテキストで見やすさを確認するとよいでしょう。
講師には、大手資格予備校で教材制作や講師を担当した竹田篤史講師や、社労士法人・司法書士事務所を運営し、指導経験もある横井祐講師などがいます。中上級総合講義では、重要事項を整理し、土台となる知識は板書や図解を使って復習する方針が案内されています。
再受験では、講師の経歴だけでなく、説明の速さや図解の使い方が自分に合うかをサンプル講義で確認しましょう。
サポート・合格特典・合格実績も確認しておこう
アガルートでは、講義や問題演習に加えて、学習を支援するサービスも用意されています。例えば、中上級カリキュラムのフルコースでは、先着希望制のバーチャル校舎が案内されています。ただし、利用できるサポートはコースによって異なるため、申込み前に対象コースの内容を確認しましょう。
2027年合格目標の入門・中上級・上級カリキュラムのうち、フルコースには合格特典があります。対象講座を受講して2027年度の社労士試験に合格し、所定の条件を満たした場合、全額返金またはお祝い金3万円のいずれかを利用できます。
全額返金には、合格通知書データの提出に加え、合格体験記の提出や合格者インタビューへの出演などの条件があります。返金対象は購入した対象講座の税抜価格(セール購入時はセール価格の税抜額)で、源泉所得税が控除されます。
お祝い金にも合格通知書データと合格体験記の提出が必要です。3万円から源泉所得税3,063円を差し引いた26,937円が、Amazonギフト券で支払われます。
ライトコースや単科講座、キックオフ社労士は合格特典の対象外で、一般教育訓練給付金との併用もできません。実名や体験記・インタビューの公開などにも条件があるため、申請期限を含めて公式サイトで確認してください。
合格実績については、アガルート公式サイトで令和7年度の有料受講生の合格率が29.45%と公表されています。ただし、これは講座提供会社が公表する実績であり、受講すれば同じ確率で合格できることを意味するものではありません。集計対象や条件を確認したうえで参考にしましょう。
再受験では、合格特典や合格実績だけで講座を決めるのではなく、自分に不足している講義・問題演習・サポートが含まれているかを優先して判断することが大切です。
参考:アガルート公式|合格特典
参考:アガルート公式|合格実績
スタディング|過去の受講者向けに更新版がある
スタディングでは、2027年度向けの社労士合格コースに加え、過去の対象コースを購入した人向けの更新版が用意されています。
公式サイトによると、2027年度更新版の対象は、2026年度版以前の社労士合格コースを購入した人です。
更新版には複数のコースがあるため、前年度に購入したコースと、今回利用したいコースの対応関係を確認する必要があります。
また、スタディングはオンラインで学習を進める講座のため、スマートフォンやパソコンを中心に学習したい人にとって候補になります。
ただし、紙の教材を重視する場合は、冊子版の有無や追加費用も確認したいところです。
以前スタディングを利用していた人は、通常コースを新規購入する前に、更新版を利用できるか確認するとよいでしょう。
クレアール|基礎の再整理と問題演習を組み合わせたい人の候補
クレアールには初学者向けと学習経験者向けのコースがあります。2027年目標の中級パーフェクトコースは、基礎知識を整理し直す講義と問題演習を組み合わせた構成です。制度の理解が曖昧な再受験者は、初学者向け講義からの学び直しが必要か、中級の復習で補えるかをサンプル講義で確認しましょう。
中級パーフェクトコースには、答練マスター講義、横断整理、法改正・白書対策などが含まれます。似た制度の混同や演習不足が課題なら、過去問を解き直すだけでなく、その弱点を補える内容かを比較する材料になります。テキストは冊子とPDFですが、答練の問題・解説はPDFが基本で、冊子を希望する場合は有料オプションの確認が必要です。
質問は専用フォームから行い、有資格者スタッフがメールで回答する制度です。公式には回数無制限と案内されていますが、利用ルールがあります。回答方法や質問できる範囲が、自分の疑問の解消に合うかを確認してください。
2027年目標のコースと、2028年までの学習を想定したセーフティコースは受講期間・条件が異なります。申込み前に、視聴・質問の終了日、教材の配信時期、割引適用後の総額を確認しましょう。合格お祝い金や返金制度にも対象年度・コースなどの条件があるため、特典を差し引いた金額だけで選ばないことが大切です。
参考:クレアール公式|中級パーフェクトコース・受講生サポート(2026年10月28日確認)。最新のコース構成や条件は公式情報で確認してください。
広告:クレアール公式|社労士講座の資料請求
自分に合う講座をどう選ぶ?
どの講座が適しているかは、前年度の学習状況によって異なります。
例えば、経験者向けの講義や演習を組み合わせて学び直したい場合は、アガルートのカリキュラム内容を確認する価値があります。
一方、以前スタディングを利用していて学習方法が合っていた場合は、更新版の利用を検討できます。
基礎の再整理と演習を組み合わせ、質問制度も使いたい場合は、クレアールの経験者向けコースも比較対象になります。ただし、紹介した3講座だけに選択肢を絞る必要はありません。
重要なのは、講座の知名度や割引率ではなく、自分の弱点を補うために必要な内容が含まれているかです。
通信講座を申し込む前に確認したいチェックリスト
購入を決める前に、次の項目を確認しておきましょう。
- 前年度の不合格原因を整理できている
- 独学では補いにくい課題が明確になっている
- 自分の理解度に合ったコースを選んでいる
- 必要な講義・問題演習・サポートが含まれている
- 受講期限と教材提供時期を確認している
- 受験年度の法改正に対応している
- 割引の適用条件と追加費用を確認している
- 無料体験やサンプル教材で学習方法を確認している
すべての項目を満たす講座を探す必要はありません。
自分にとって重要な条件を整理し、必要な機能に優先順位をつけることが大切です。
なお、教材や講座の選択だけでなく、次の試験までの勉強方法全体を見直したい場合は、社労士試験に不合格だった後の勉強法と学習計画の立て方も参考にしてください。
まとめ|再受験の通信講座は不合格原因から選ぶ
社労士試験の再受験では、必ずしも通信講座を買い直す必要はありません。
基礎知識が身についており、復習方法や問題演習の進め方に課題がある場合は、独学を継続する方法もあります。
一方、制度の理解が不足している場合や、前年度の教材・サポートでは弱点を補えなかった場合は、通信講座の再受講や乗り換えを検討する価値があります。
その際は、前年度の得点だけでなく、失点原因や学習方法との相性を踏まえて判断しましょう。
通信講座を選ぶ目的は、新しい教材を手に入れることではなく、次の試験に向けて不足している学習を補うことです。
まずは自分の課題を整理し、独学継続・再受講・乗り換えのどれが適しているかを考えてみてください。
