社労士試験に不合格だったら?再受験に向けた勉強法と学習計画の立て直し方

社労士

社労士試験に不合格だったとき、「来年も同じ勉強を続けていいのか」「教材を買い直すべきか」「何から勉強を再開すればいいのか」と悩む人は少なくないでしょう。

これまで時間をかけて勉強してきたからこそ、最初からやり直すことにも、同じ方法を続けることにも迷いが生じるものです。

しかし、再受験に向けて重要なのは、勉強時間をただ増やすことではありません。今回の試験で何が足りなかったのかを整理し、次の試験までの学習方法を見直すことです。

筆者も2026年度の社労士試験を受験し、選択式22点、択一式43点の合計65点で不合格となりました。試験を振り返るなかで、知識の定着度や正誤判断の根拠を十分に確認できていなかったと感じています。

この記事では、社労士試験に不合格だった後に確認したいこと、原因別の勉強法、再受験に向けた学習計画の立て方、教材や通信講座の見直し方を解説します。

社労士試験に不合格だったら最初に確認すること

不合格がわかった直後は、すぐに勉強を再開したくなるかもしれません。しかし、まずは本試験の結果とこれまでの学習過程を振り返ることをおすすめします。

原因を整理せずに同じ勉強を繰り返すと、前年度と同じ弱点を残してしまう可能性があるためです。

総得点不足と科目別基準点割れを区別する

社労士試験は、選択式40点満点、択一式70点満点で実施されます。

合格するためには、それぞれの総得点だけでなく、科目別の合格基準も満たす必要があります。

2026年度の合格基準は、次のとおりでした。

試験区分総得点の合格基準科目別基準
選択式25点以上/40点原則各科目3点以上。雇用保険法は2点以上
択一式47点以上/70点各科目4点以上

※2026年度の合格基準です。基準点は年度によって変わるため、受験年度の公式発表を確認してください。

不合格の原因を分析するときは、次の3つを区別しましょう。

  • 総得点不足: 選択式または択一式の総得点が合格基準に届いていない
  • 科目別基準点割れ: 特定の科目が合格基準を下回っている
  • 両方に該当: 総得点と科目別基準の両方を満たしていない

例えば、総得点が合格基準に近くても、特定の科目で基準点を下回っている場合は、その科目の弱点を優先して補強する必要があります。

一方、複数科目で基本的な知識が不足している場合は、一部の苦手論点だけを復習するよりも、学習範囲を広く見直す必要があるかもしれません。

まずは、自分がどの状態にあるのかを確認することが出発点です。

得点だけでなく学習過程を振り返る

試験結果を確認したら、次はこれまでの勉強方法を振り返ります。

科目別の得点だけでは、なぜ間違えたのかまではわかりません。

例えば、同じ不正解でも、論点自体を知らなかった場合と、知っていたのに数字や例外を混同した場合では、必要な復習が異なります。

次の項目を確認してみましょう。

確認項目振り返る内容
基礎知識制度の仕組みや基本要件を理解していたか
知識の定着正誤判断の根拠を説明できたか
問題演習解説を読むだけの復習になっていなかったか
科目別対策苦手科目の弱点を把握していたか
学習時間計画した学習を継続できていたか
法改正対策受験年度に必要な改正事項を確認できていたか

すべてを細かく記録する必要はありません。

重要なのは、次の試験までに何を変えるべきかを具体的にすることです。

不合格の原因別に勉強法を見直す

不合格の原因によって、優先すべき勉強法は異なります。

ここでは、代表的な4つのケースに分けて考えます。

基礎知識が不足していた場合

制度の目的や基本的な仕組みを説明できない論点が多い場合は、問題演習を増やす前に、基礎知識の理解を補う必要があります。

例えば、ある給付について名称は知っていても、誰が対象になるのか、どのような要件で支給されるのかを説明できなければ、選択肢の正誤判断は難しくなります。

この場合は、間違えた問題の解説だけを読むのではなく、テキストの該当箇所に戻り、制度の全体像を確認しましょう。

ただし、すでに理解している科目まで最初から読み直す必要があるとは限りません。

理解が不足している分野を特定し、必要な範囲から学び直すことが大切です。

択一式の得点が伸びなかった場合

択一式では、問題を繰り返し解いているのに得点が伸びないことがあります。

その原因の一つとして考えられるのが、正解した問題の理解度を十分に確認できていないことです。

過去問の文章を覚えて正解できても、対象者や期間などの条件が変わると判断できない場合があります。

そのため、再受験に向けては、正解・不正解だけでなく、各選択肢について正誤を判断した根拠を確認する方法が考えられます。

特に、消去法や曖昧な記憶で正解した問題は、復習対象として残しておきたいところです。

択一式の失点原因を具体的に整理したい場合は、社労士試験の択一式で点数が伸びない原因と復習の優先順位も参考にしてください。

選択式で足切りになった場合

選択式では、総得点だけでなく科目別の合格基準を満たす必要があります。

そのため、得意科目で高得点を取れても、苦手科目が基準点を下回ると不合格になります。

選択式で失点した場合は、空欄を埋められなかった理由を確認しましょう。

重要な語句を覚えていなかったのか、似た表現を混同したのか、初めて読む文章に対応できなかったのかによって、対策は異なります。

特に、重要な条文や制度の要件については、語句だけを暗記するのではなく、前後の文章や制度の意味も確認することが大切です。

科目別の基準点割れを防ぐための具体的な方法は、社労士試験の選択式で足切りを防ぐ勉強法で解説しています。

勉強時間を確保できなかった場合

仕事や家庭の事情などで、予定していた学習時間を確保できなかった人もいるでしょう。

この場合、勉強方法そのものだけでなく、学習計画の立て方を見直す必要があります。

例えば、毎日3時間勉強する計画を立てても、実際には週の半分しか実行できなかったのであれば、同じ計画を立て直しても継続が難しいかもしれません。

まずは、直近の生活リズムから無理なく確保できる時間を見積もりましょう。

そのうえで、通勤時間などの短い時間に取り組む内容と、まとまった時間が必要な学習を分ける方法があります。

大切なのは、理想的な勉強時間を設定することではなく、実際に継続できる計画を作ることです。

再受験に向けた学習計画の立て方

不合格の原因が整理できたら、次の試験までの学習計画を立てます。

再受験者には、前年度までに学んだ知識がある一方、理解が曖昧な部分や忘れている部分もあります。

すべてを最初からやり直すのではなく、現在の理解度を確認しながら計画を作ることが重要です。

前年度の学習内容を引き継ぐ

まず、前年度の学習内容を次の3つに分けてみましょう。

  • 維持する分野: 基本事項を理解し、正誤判断の根拠も説明できる
  • 補強する分野: 概要は理解しているが、要件や例外が曖昧
  • 学び直す分野: 制度の仕組みや基本事項から理解が不足している

このように分類すると、科目全体を一律に学び直すよりも、復習の優先順位を決めやすくなります。

ただし、一度理解した分野でも、時間がたつと知識が抜けることがあります。維持する分野についても、定期的に問題演習を行い、理解度を確認しましょう。

本試験から逆算して学習期間を分ける

次の試験までの期間は、基礎知識の補強、問題演習、直前期の総復習に分けて考えると計画を立てやすくなります。

例えば、秋から学習を再開する場合は、次のような進め方が考えられます。

期間の目安主な学習内容
10〜12月前年度の分析・基礎知識の補強
1〜3月科目別の復習・問題演習
4〜6月弱点補強・法改正・一般常識対策
7月〜本試験模試の復習・総復習・時間配分の確認

※秋に学習を再開する場合の一例です。実際の試験日、学習開始時期、理解度に応じて調整してください。

この計画で重要なのは、期間を厳密に区切ることではありません。

例えば、基礎知識の補強期間であっても問題演習を取り入れ、直前期であっても理解不足が見つかればテキストに戻る必要があります。

学習内容を完全に分離するのではなく、時期ごとに重点を変えるイメージで考えましょう。

また、受験年度の法改正や試験範囲については、最新の教材や公式情報で確認してください。

週単位で復習・演習・弱点補強を管理する

年間計画を立てても、日々の学習に落とし込めなければ実行しにくくなります。

そこで、1週間単位で学習内容を決める方法をおすすめします。

例えば、次のような計画です。

学習内容週の目標例
基礎知識の復習苦手論点を3つ確認する
問題演習学習した論点の問題を解く
失点分析根拠が曖昧だった選択肢を整理する
選択式対策重要語句・条文を確認する
週末の振り返り未達成項目と翌週の優先事項を決める

※学習内容と目標は一例です。必要な学習量を示すものではありません。

目標は、単に「10時間勉強する」とするよりも、「どの論点を理解できるようにするか」まで具体化すると、学習の成果を確認しやすくなります。

ただし、時間の管理も不要というわけではありません。計画した学習内容に対して、実際にどれだけ時間を使ったのかを把握することは、翌週の計画を調整するうえで役立ちます。

予定どおりに進まなかった場合は、遅れた分をすべて翌週に上乗せするのではなく、優先順位を見直しましょう。

2026年度65点で不合格だった筆者の学習見直し

ここからは、筆者自身の受験経験と、次回試験に向けた考え方を紹介します。

筆者は2026年度の社労士試験を受験し、選択式22点、択一式43点の合計65点で不合格となりました。

選択式22点・択一式43点の結果から考えたこと

2026年度の合格基準は、選択式25点以上、択一式47点以上でした。

筆者の得点は、選択式で3点、択一式で4点不足していました。

さらに、選択式では労働基準法・労働安全衛生法が2点、労働一般常識が2点、社会保険一般常識が1点と、複数の科目で基準点を下回りました。

この結果から、単に総得点を上げるだけでなく、選択式の科目別基準点を確保するための学習も必要だと考えています。

また、択一式では正解できているという手応えが薄く、消去法や曖昧な記憶に頼った問題がありました。

これまでの学習では、過去問の正答率や模試の科目別得点を重視していましたが、それだけでは論点ごとの理解不足を十分に把握できていなかったと感じています。

ただし、これらは試験後の振り返りであり、実際の失点原因をすべて特定できたわけではありません。

次回試験に向けて変えること

次回試験に向けて、筆者が重視したいのは次の3点です。

1つ目は、正誤判断の根拠を確認することです。

問題に正解したかどうかだけでなく、なぜその選択肢が正しいのか、どの条件が誤っているのかを説明できる状態を目指します。

2つ目は、科目別だけでなく論点別に弱点を把握することです。

科目全体を苦手と判断するのではなく、知識不足、制度の混同、判断根拠の曖昧さなど、具体的な原因を整理して復習します。

3つ目は、選択式で重要語句を正確に判断できるようにすることです。

条文や制度の要件について、文章を見れば理解できるだけでなく、重要な語句を思い出し、その意味を説明できるか確認します。

これらの方法で得点が改善するかどうかは、今後の問題演習や模試の結果を通じて検証していく方針です。

再受験では教材や通信講座を買い直すべきか

社労士試験に不合格だった後、教材や通信講座を買い直すべきか迷う人もいるでしょう。

しかし、不合格だったという理由だけで、すべての教材を新しくする必要はありません。

まずは、現在の教材で不足していることと、学習方法を変えれば改善できることを区別しましょう。

今の教材を使い続けられるケース

次のような場合は、現在の教材を活用しながら学習を続けられる可能性があります。

  • テキストの解説を読めば制度を理解できる
  • 問題演習や復習の方法に改善余地がある
  • 苦手な論点が比較的明確になっている
  • 教材の解説量や構成に大きな不満がない

ただし、法改正や試験範囲の変更には注意が必要です。

前年度の教材を使用する場合は、受験年度に必要な情報を補えるか確認してください。

過去問の年数や周回数を見直したい場合は、社労士試験は過去問だけで合格できる?必要な年数と復習方法も参考にしてください。

教材の更新・追加を検討するケース

一方、次のような場合は、教材の更新や追加を検討する価値があります。

  • 受験年度の法改正に対応できていない
  • 重要な制度の解説が不足している
  • 選択式の問題演習量が足りない
  • 一般常識の統計・白書対策が不足している
  • 自分の弱点に合った問題演習ができない

ただし、教材を増やしすぎると、復習対象が分散してしまう可能性があります。

新しい教材を購入する前に、何を補うために必要なのかを明確にすることが重要です。

例えば、選択式の演習量が不足しているのであれば、すべての教材を買い直すのではなく、選択式対策に特化した問題集を追加する方法もあります。

通信講座の再受講を判断する基準

通信講座を利用していた人は、再受講するかどうかも検討する必要があります。

判断するときは、次の点を確認しましょう。

判断項目確認する内容
理解度講義による基礎知識の学び直しが必要か
教材最新年度の法改正に対応できるか
演習弱点を補う問題演習ができるか
サポート質問や学習計画の管理が必要か
費用必要な機能に見合った費用か

すでに基礎知識が身についている場合は、講義を最初から受け直すよりも、問題演習や弱点補強を中心とした学習が適している可能性があります。

一方、制度の基本的な理解が不足している場合や、独学では学習計画を維持するのが難しい場合は、通信講座の利用が選択肢になります。

また、講座によっては再受講者向けの制度や割引が設けられている場合もあります。ただし、対象者、費用、利用条件は講座や年度によって異なるため、申込み前に公式情報を確認してください。

大切なのは、前年度と同じ講座を選ぶことでも、別の講座に乗り換えることでもありません。

自分の不合格原因を改善するために、どのような教材やサポートが必要なのかを基準に判断しましょう。

具体的に比較したい場合は、社労士の再受験で独学継続・再受講・乗り換えを判断する方法も参考にしてください。

まとめ|不合格の原因を次の学習計画に反映する

社労士試験に不合格だった後は、勉強時間を増やしたり、教材を買い直したりする前に、今回の試験結果を振り返ることが大切です。

まずは、総得点不足と科目別基準点割れを区別し、どのような理由で得点できなかったのかを整理しましょう。

そのうえで、基礎知識の不足、択一式の判断力、選択式の重要語句、学習時間の確保など、自分の課題に合わせて勉強方法を見直します。

再受験に向けた学習計画では、前年度に身につけた知識を活かしながら、補強すべき分野を優先することが重要です。

筆者自身も、2026年度の選択式22点、択一式43点という結果を踏まえ、正答率だけでなく、根拠を説明できるかを重視した学習に見直していきます。

不合格という結果だけで勉強方法を決めるのではなく、何が足りなかったのかを明確にして、次の学習行動につなげること。

再受験に向けて、まずは今回の結果と学習過程を振り返るところから始めてみてください。

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