FP技能士は意味ない?役に立つ場面と資格だけではできないこと

FP

FPについて調べると、「FPは意味ない」「取っても役に立たない」という意見を目にすることがあります。

これから勉強時間や教材費をかけるなら、本当に取得する意味があるのか確認しておきたいところです。

結論からいうと、FP技能士が役に立つかどうかは、資格そのものよりも「何のために取るのか」で大きく変わります。

FP技能士を取れば、特定の仕事が必ずできるようになったり、転職が保証されたりするわけではありません。

一方で、年金、社会保険、保険、資産運用、不動産、税金、相続など、お金に関する幅広い知識を体系的に学ぶことができます。

そのため、

「資格さえ取れば仕事に困らない」

と考えている人と、

「仕事や生活で使うお金の知識を体系的に身につけたい」

と考えている人では、FP技能士を取る意味が違います。

この記事では、「FPは意味ない」という意見が出る理由と、逆にFP技能士が役立ちやすいケースを整理します。

FP技能士が「意味ない」と言われる理由

FP技能士が意味のない資格といわれる理由はいくつかあります。

まずは、資格に何を期待すると「取ったのに役に立たなかった」と感じやすいのか確認してみましょう。

理由1 資格を取るだけで就職・転職できるわけではない

FP技能士を取得しても、それだけで希望する会社への就職や転職が決まるわけではありません。

これはFPに限った話ではありませんが、資格取得と採用は別の問題です。

企業が採用するときには、

・これまでの実務経験

・担当してきた業務

・応募する職種との相性

・その他の資格やスキル

なども含めて判断します。

そのため、

「FP2級を取れば未経験でも必ず金融業界へ転職できる」

といった期待を持っていると、取得後に「意味がなかった」と感じる可能性があります。

仕事に活かす目的なら、

資格を取ること

ではなく、

応募したい仕事でFPの知識がどう使われるのか

まで確認することが重要です。

理由2 FP技能士だけで特定の専門業務ができるわけではない

FPでは、税金、不動産、相続、社会保険など幅広い内容を学びます。

しかし、試験でその分野を勉強したからといって、他の資格に法律上限定されている業務までFP技能士として自由に行えるようになるわけではありません。

ここは、

試験で学ぶ範囲

と

資格を取得したことでできるようになる業務

を分けて考える必要があります。

FP技能検定は、ファイナンシャル・プランニングに関する技能の習得レベルを評価する国家検定です。

合格すれば、等級を表示したうえで「ファイナンシャル・プランニング技能士」と名乗れます。

一方で、

「FP技能士を取れば、お金に関するあらゆる専門業務を独占的に行える」

という資格ではありません。

資格取得だけで新しい業務権限を得ることを目的にしている場合は、期待と実際の資格の性格が合っているか確認した方がよいでしょう。

理由3 資格を取っても知識を使わなければ忘れる

FPでは幅広い分野を勉強します。

試験に合格した直後は覚えていても、その後まったく使わなければ知識は徐々に薄れていきます。

また、FPの学習対象には税制や社会保障制度なども含まれるため、制度が変われば情報の更新も必要です。

「一度合格すれば、その後ずっと最新のお金の知識を持っていることになる」

わけではありません。

資格取得をゴールにしてしまい、合格後に知識をまったく使わないのであれば、勉強した内容を活かしにくくなります。

反対に、

・仕事で使う

・自分の家計を考える

・制度変更を継続的に確認する

など、取得後も知識を使う機会があれば、学習内容を維持しやすくなります。

理由4 目的によっては資格まで取る必要がない

FPの勉強に価値を感じても、必ず試験まで受ける必要があるとは限りません。

たとえば、

「新NISAについて知りたい」

「自分の年金だけ確認したい」

「住宅ローンについて勉強したい」

など、知りたいテーマが限定されている場合です。

FPでは幅広い分野を学ぶため、一つのテーマについて知識が必要なだけなら、その分野を個別に勉強する方が効率的なことがあります。

FP技能士を取る意味があるか考えるときは、

FPの知識が役立つか

と

FP技能検定まで受ける必要があるか

を分けて考えましょう。

では、FP技能士はどんなときに役立つ?

「資格だけで仕事が決まらないなら、FPを取る意味はないのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、資格取得の価値は独占業務の有無だけでは決まりません。

FP技能士の場合は、お金に関する複数の分野を横断して学べることが大きな特徴です。

ここからは、FPの学習や資格が役立ちやすいケースを見ていきます。

役立つ場面1 お金の知識を体系的に学びたい

FPでは、

・ライフプランニング

・社会保険、公的年金

・生命保険、損害保険

・金融資産運用

・税金

・不動産

・相続、事業承継

などを横断して学びます。

日常生活では、これらの制度が単独で問題になるとは限りません。

たとえば住宅購入を考えるときには、不動産だけでなく住宅ローン、保険、税金、将来の家計も関係します。

老後について考える場合も、公的年金だけでなく、貯蓄や資産形成、税金、保険などが関係します。

個別の制度をその都度調べるだけではなく、お金について全体像から理解したい人にとっては、FPの試験範囲そのものが学習の枠組みになります。

役立つ場面2 自分や家族のお金を考えたい

FPの知識は、資格を仕事で使わない人にも関係します。

たとえば、

・家計管理

・保険の検討

・住宅購入

・教育資金

・老後資金

・資産形成

・相続

などは、多くの人が生活の中で直面するテーマです。

もちろん、FP資格を取っただけで、自分に最適な金融商品や将来設計が自動的に分かるわけではありません。

それでも、制度や商品の説明を理解したり、自分で調べるときの基礎知識を身につけたりすることにはつながります。

「仕事で使わない資格は意味がない」と考えるのではなく、生活で使う知識を体系的に学ぶことに価値を感じるかで判断してもよいでしょう。

役立つ場面3 金融・保険・不動産などの仕事に知識をつなげたい

FPの学習内容と関連性が高い仕事もあります。

たとえば、

・銀行

・証券

・保険

・不動産

・住宅関連

などです。

これらの仕事では、FPで学ぶ金融、保険、不動産、税金などの知識と実務が重なる場合があります。

そのため、すでに関連業界で働いている人なら、

現在の仕事+FP知識

という使い方ができます。

この場合、資格単体の価値だけを見るよりも、現在持っている実務経験との組み合わせで考える方が実態に近くなります。

役立つ場面4 一般企業の業務に知識を活かしたい

FPの知識を使うのは金融業界だけではありません。

一般企業でも、人事・労務や福利厚生など、社会保険や従業員の生活設計と関係する業務があります。

経理・財務など、FPで学ぶ内容と一部関連する仕事もあります。

ただし、

「FPを持っていれば人事や経理の仕事ができる」

という意味ではありません。

その職種で必要となる知識の一部とFPの学習内容が重なる、と考えるのが適切です。

現在の仕事で「この制度の仕組みをもっと理解したい」と感じているなら、FP学習が知識の幅を広げる選択肢になることがあります。

役立つ場面5 将来さらにFP分野を学びたい

FP技能士を入口に、その後さらに専門性を高めていくこともできます。

たとえば日本FP協会にはAFP・CFPという資格があります。

特に2級FP技能検定はAFP資格審査試験を兼ねています。

FP2級を取得した後、AFP認定研修の修了など所定の要件を満たしてAFP資格認定を受け、その後さらにCFP資格を目指すルートがあります。

そのため、

「FPについて基礎から学び、必要ならさらに専門性を高めたい」

という人にとって、FP技能士は一つの入口になります。

ただし、FP技能士とAFP・CFPは同じ資格ではありません。

違いは「FP技能士とAFP・CFPの違いは?資格の位置づけを整理」で詳しく解説します。

FP3級だけでも意味はある?

「3級では簡単すぎて意味がないのでは」と考える人もいます。

ここも目的によって変わります。

自分や家族のお金について基礎から学ぶことが目的なら、3級の学習範囲にも意味があります。

また、FPを初めて学ぶ人が2級へ進む前の基礎固めとして利用することもできます。

一方、

「仕事で資格をアピールしたい」

「FPの知識をさらに深く学びたい」

という目的なら、3級を最終地点にするのではなく2級まで進むことを検討してもよいでしょう。

大切なのは、

3級だから意味がある・ない

ではなく、

自分の目的に対して3級までで十分なのか

です。

FP2級を取れば転職で有利になる?

FP2級を取得しただけで、転職が有利になると一律にはいえません。

応募先の業界や職種によって、FP知識との関連性が異なるためです。

たとえばFPと関連性の高い金融・保険・不動産などであれば、学んだ内容を仕事と結びつけて説明しやすくなります。

一方、FPとほとんど関係のない職種では、資格そのものが採用を大きく左右するとは限りません。

転職目的でFPを考えるなら、

「FP2級を持っていると有利か」

だけで検索するより、

自分が応募したい職種ではFPの知識を何に使うのか

を確認する方が重要です。

FPを仕事でどう活かせるかについては、「FP技能士は仕事にどう活かせる?就職・転職との関係」で詳しく整理します。

FP技能士を取らなくてもよい人

FPに興味があっても、全員が資格取得を目指す必要はありません。

たとえば、

・知りたい制度が一つだけ

・資格そのものは必要ない

・試験範囲の大部分に興味がない

・仕事でも資格を使う予定がない

・資格取得より優先して学ぶべき分野がある

という場合です。

FPを勉強する時間にも機会費用があります。

資格を取るために100時間使うなら、その時間を別の資格や仕事のスキルに使う選択肢もあります。

「役に立つ資格だから取る」ではなく、

今の自分がFPを勉強する優先順位は高いか

まで考えてみましょう。

FP技能士を取るか迷ったら3つの質問で判断する

最後に、FP技能士を取る意味があるかを自分で判断してみましょう。

1.FPで学ぶ分野を幅広く知りたい?

年金、保険、金融資産、不動産、税金、相続などを体系的に学びたいなら、FPの学習範囲と目的が合っています。

特定分野だけ知りたいのであれば、資格取得まで必要か検討しましょう。

2.資格取得後に知識を使う場面がある?

仕事、転職、自分の家計、資産形成など、取得後に知識を使う場面を具体的に考えます。

使う場面が思い浮かぶほど、勉強した知識を活かしやすくなります。

3.資格に何を期待している?

ここが最も重要です。

「資格を取れば必ず転職できる」

「FPだけで専門業務を独占できる」

と期待しているのであれば、資格の性格と目的が合っていない可能性があります。

一方、

「お金の知識を体系的に身につけたい」

「今の仕事に関連知識を加えたい」

「2級やAFP・CFPまで学習を進めたい」

という目的なら、FP技能士を取得する意味を見いだしやすいでしょう。

FP技能士は「取っただけで人生が変わる資格」ではない

FP技能士は、取得するだけで就職や転職が保証されたり、あらゆるお金の専門業務ができるようになったりする資格ではありません。

その意味で、

資格を取ること自体をゴールにすると、期待外れになる可能性があります。

一方で、FPでは社会保険、年金、保険、金融資産、不動産、税金、相続など、仕事や生活に関係するお金の知識を幅広く学びます。

これらを体系的に学び、

・自分の生活に使う

・現在の仕事に使う

・転職先で関連知識として使う

・さらに上位のFP学習へ進む

という目的があるなら、資格取得を学習目標にする意味があります

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